肉割れって本当に治療で治るの?
「肉割れ」という症状がありますが、これは体の一部分の皮膚表面にひび割れのような線が何本も入っている状態を指します。肌を露出する機会が多い女性にとっては特に気になる症状と言えるでしょう。今回は、肉割れの症状とその原因について詳しくご紹介します。そして、肉割れの治療方法も料金相場や治療期間を考慮しながら解説していきます。
肉割れ治療とは?
肉割れの治療は、コラーゲンの合成を促すことが有効だと言われています。代表的な治療方法は2種類あり、1つ目はレーザー治療です。レーザーを皮膚の真皮に照射し、コラーゲンの合成を促して皮膚の再生を活性化します。これにより、肉割れの部分に新しい細胞ができ、肉割れを目立たなくします。
もう1つの方法は炭酸メソと呼ばれる治療です。炭酸メソは、肌に針を刺して炭酸ガスを皮膚内へ直接注入する治療法で、コラーゲンの合成を促します。これにより、肌のハリや弾力を取り戻し、肉割れした部分を目立たなくします。コラーゲンの合成以外にも様々な効果があるため、人気が高まっています。
肉割れ治療でどこまで跡を消せるの?
レーザー治療や炭酸メソ治療により、元の状態とまでとはいきませんが、肉割れが生じている部分を目立たなくすることは可能です。
肉割れの原因って何?
肉割れの正式名称は「線状皮膚萎縮症」と言います。線状皮膚萎縮症は、皮膚が過剰に引っ張られて線上の細かなシワができます。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなりますが、体格の変化により皮膚が伸び、真皮が裂けることがあります。そして、表皮から真皮が裂けているのが見え、あたかもシワのように線をなしているのが肉割れです。
皮膚の過剰な伸展の原因として、まず妊娠が挙げられます。妊娠により腹や乳房が大きくなることで皮膚が伸び、その周辺に肉割れができます。また、思春期に急激に体格が大きくなったり、過度な体重の増加があった場合も症状が表れます。加えて、体内のステロイドホルモンが関係している場合もあります。クッシング症候群やマルファン症候群により、体内のステロイドホルモンのバランスが崩れて皮膚自体が弱まり、肉割れができやすくなります。それ以外にも、ステロイド系の薬を使い続けたことが原因で、症状が表れることが確認されています。
肉割れってどういうところに出来るの?
妊娠による肉割れでは、主に腹や乳房、尻などに症状が表れます。思春期や過度な体重の増加では、腹・乳房・大腿外側・臀部など広範囲に症状が出ます。妊娠以外の急激な体格の変化では、どこに肉割れができてもおかしくありません。裂けた皮膚は最初はピンク色になり、かゆみが出ることもあります。その後、線上の細かなシワへと変化し、色もピンク色から白色へ変化します。良性の皮膚病変のため、見た目の問題が生じるだけで大きな障害が残ることはありません。
痩せている人にも肉割れはできる?
前述したように、肉割れは体格の変化により症状が表れます。そのため、痩せている人でも急激に体重が増えたり、思春期に入って体格が変化することで肉割れができる可能性はあります。また、筋肉トレーニングをすることで、筋肉の急速な発達により真皮が裂けることもあります。さらに、体内のステロイドホルモンのバランスが崩れることでも肉割れが起こるため、痩せているから肉割れとは無縁ということではないことは知っておきましょう。
肉割れ治療の料金相場は?
レーザーによる肉離れ治療の料金相場は、1回1万円から5万円です。肉割れが完全に目立たなくなるまで通常5回程度通院する必要がありますので、トータルで5万円から25万円ほどかかります。炭酸メソによる肉離れ治療の料金相場は、1回3万円から4万円です。治療完了まで4回程度の通院が必要ですから、トータルで12万円から16万円ほどかかります。
肉割れ治療はどのくらいの時間と期間がかかるの?
レーザーによる肉割れ治療は1回30分から60分ほどかかります。1回の治療後、2週間のクールタイムを必要とします。通院が5回必要ですから、治療完了までは2~3カ月かかります。炭酸メソによる肉割れ治療は1回10分から30分ほどかかります。1回の治療後、2週間のクールタイムが必要です。通院は平均4回ほどで、治療完了まで2カ月程度が目安です。
肉割れ治療に欠かせない炭酸メソのメリットは?
炭酸メソは肉割れ治療以外にも、身体に様々な良い効果をもたらしてくれます。
◆新陳代謝が良くなる
炭酸ガスが皮膚に注入されると、赤血球から出る酸素が増えます。それにより新陳代謝が活性し、有酸素運動をしたような効果が得られます。
◆血流が良くなる
炭酸メソにより毛細血管が拡張し、血流量が増加します。それにより血流が良くなり、皮膚の再生や育毛促進の効果が表れます。
◆コラーゲンの効果
炭酸メソにより血管の周囲の細胞が活性化します。線維芽細胞が刺激されて、コラーゲンの合成が促進されます。そのため、肉割れ以外にもシワや傷跡が目立たなくなり、肌にハリが出てきます。
肉割れ治療の施術の流れは?
肉割れ治療を開始する前に、まずは医師の診察を受けます。医師とカウンセリングをして、自分に適した施術プランを決めましょう。炭酸メソ治療では極細針を使うため、通常麻酔は使用しませんが、痛みが不安な人には麻酔クリームを塗ってくれる場合もあります。レーザー治療でも希望すれば麻酔クリームを塗ってくれます。治療時間はレーザーで30分から60分、炭酸メソで10分から30分です。術後は腫れや赤みが出ますが、10分程経過すれば自然に消えます。2週間の経過観察を挟んで再度施術を受けて、何回か繰り返した後、肉割れが完全に目立たなくなったところで治療は終了です。
肉割れは自力でも治せるの?
肉割れを自力で治す方法もあります。ドラッグストアなどに行けば、肉割れ治療用のクリームやオイルが販売されています。また、保湿クリームも肉割れを目立たなくするのに有効です。血行が良くなっている風呂上がりなどにクリームやオイルを塗り、ゆっくりと患部をほぐすようにマッサージします。これを最低でも6ヶ月以上は続けましょう。レーザー治療や炭酸メソと比較して時間はかかるかもしれませんが、費用を抑えながら自分のペースで肉割れ治療ができます。
まとめ
肉割れ治療には時間と費用がかかります。そのため、常日頃から肉割れの予防をすることが大切です。規則正しい生活を送り、体重を維持することが何よりの対策になります。また、肉割れ治療用のクリームを普段から塗ることでも予防ができます。保湿で肌の潤いを保ち、入浴をして常に血行を良くしておくことで肉割れを未然に防ぎましょう。