痛いとかかゆいといった不快な症状がなくても、肌の露出した部分に傷や発疹などができると他の部分よりも一生懸命ケアするという人は多いのではないでしょうか。特に赤ら顔は顔に顕著に症状が出るため、女性だけでなく男性も早く治したいと思うでしょう。こちらでは、赤ら顔の症状や原因とともに、どんな治療や対策ができるのかをご紹介します。
【赤ら顔とは?】
お酒を飲んだ後に顔が真っ赤になったり、暖房が効いた部屋にいると顔が火照ることがありますが、これは一過性のもので酔いが醒めたり、外の涼しい風に当たるなどするとすぐに解消します。それとは異なり、こちらで取り上げる赤ら顔は症状の改善を図っても一定の期間、解消できない症状のことを言います。一口に赤ら顔といっても人によって、また原因によって表れる症状は様々です。頬や小鼻の周辺に赤みが出たり、顔全体が海水浴の後のように火照ってしまうこともあります。さらに、毛穴部分だけに目立つ赤みが生じることもあるようです。
【赤ら顔治療とは?】
赤ら顔の治療は他の病気と同様、表れた症状を鎮める対症療法よりも原因にフォーカスして治療を行う方が効果的です。治療法は、セルフケアと医療機関などで行う治療に分けられます。急に発生した赤ら顔であれば原因が特定しやすく、セルフケアしやすいかもしれません。それに対して、いつの間にか赤ら顔となっている場合は原因がわかりにくく、症状が固定化されている場合もあるため、医療機関での治療が効果的であるケースが多いです。
【赤ら顔の原因とは?】
赤ら顔の原因となるものにはいくつかありますが、こちらでは代表的なものを2つご紹介します。次の原因に加え、皮膚の薄さや食べ物の好み、日ごろのスキンケアなどで赤ら顔が起きやすくなる可能性があります。
◆毛細血管拡張
私たちの体には毛細血管が張り巡らされていて、血液が行き渡ることで体の隅々まで栄養分や酸素が供給されています。その毛細血管が拡張することで、顔の皮膚の表面が赤く浮き上がったように見えて、赤ら顔に見える場合があります。このような原因で起こる症状は、一般的に「毛細血管拡張症」と呼ばれています。中でも頬や鼻の部分は毛細血管が多いため、毛細血管拡張症による症状が出やすいです。日常的に冷凍庫内など寒暖差の大きいところで仕事をしている場合や寒い時期に症状が悪化する人が増える傾向が見受けられます。
◆炎症
ニキビや乾燥、その他の皮膚炎が原因で赤ら顔になってしまうこともあります。何らかの原因でひとたび顔に炎症が起こると、それを修復しようと毛細血管が新しくできます。そうすると炎症そのものが治っても、毛細血管の数が以前よりも増えているため、赤みが増して見えてしまいます。
【化粧品で赤ら顔は改善できる?】
赤ら顔で悩む人は意外に多いため、肌の赤みを改善するのに役立つとされる成分が入った化粧品も発売されています。皮膚の炎症を抑える働きがあると言われるビタミンC誘導体やフラーレン、ビタミンEなどを含む化粧品は熱を持つような赤ら顔に効果が期待できます。顔部分の血流が滞ることが原因の赤ら顔には、血流改善に役立つとされるビタミンKを含む化粧品を勧められることが多いようです。赤ら顔は肌質も関係するため、成分を吟味した上で自分の肌に合う化粧品を選ぶことが大切です。油分を多く含む化粧品は毛穴をふさいで症状を悪化させることもあるため、注意が必要と言えます。
【赤ら顔の治療法は数種類ある?】
赤ら顔の原因はいくつもあるため、それに伴って治療法も分かれます。顔の皮膚ではないところに原因がある場合は、該当する病気を治療することから始める必要があるでしょう。場合によっては、内科や心療内科、精神科などにかかる必要があるかもしれません。顔の皮膚そのものや毛細血管に原因がある場合は、その原因を解消する内服薬や外用薬を使ったり、皮膚組織内部に直接働きかけるレーザーや光などを使用することもあります。よく用いられるのが、Vビームレーザーやフラクショナルレーザーです。外的な刺激が赤ら顔の原因になっている場合は、刺激となっている物質を特定して使わないようにしたり、生活習慣を見直すことも行われます。
【赤ら顔治療にかかる費用は?】
赤ら顔の治療で効果が期待されるレーザー治療は、毛細血管拡張症や苺状血管腫、単純性血管腫と診断された場合、レーザー治療に限って保険が適用される場合があるため、自己負担額が減る場合があります。保険適用された場合、一回当たりの施術費用は照射範囲により異なりますが、3割負担の場合で5千円から2万円程度です。保険適用外となる場合やそもそも保険適用とならない治療では、1回2万円から6万円程となることが多いようです。なお、赤ら顔の改善に役立つとされる市販薬や処方薬もあり、こちらは数百円から数千円のものがほとんどです。
【赤ら顔治療にかかる時間や期間は】
レーザーなどを使って赤ら顔を治療する場合は、症状の軽い人であれば1回で効果が見られる場合もありますが、平均的に5回、症状が重い人で10回程度の通院が必要となります。一回の通院で行う治療時間は、数分から15分程度です。通院の間隔は4週間から8週間に一度となるため、治るまでの期間は半年以上になる場合もあります。
【赤ら顔治療はどこで出来るの?】
赤ら顔の治療は、赤ら顔について知見を持つ皮膚科や美容皮膚科で行うことができます。一般的な皮膚科治療とは違い、赤ら顔は皮膚の炎症の他に毛細血管の拡張が原因となるケースがあるため、専門的な知識を持つ医療機関であれば適切な治療を行うことができるでしょう。ホームページなどで、赤ら顔の治療技術やレーザー治療実績などが書かれている医療機関を選ぶと安心です。
【赤ら顔の対策方法とは?】
赤ら顔は薬を飲んだり、積極的に医療機関で治療をする以外に自分で対策を講じることもできます。カギとなるのは、皮膚への刺激を抑えることです。日常的なお手入れであっても、肌にとっては刺激となる場合があるため、注意が必要です。例えば、クレンジングでメイクを落とす場合は洗浄力が高いオイルタイプではなく、肌への刺激が少ないとされるミルクタイプやクリームタイプのものなどを選び、力を入れずに優しく落とすようにしましょう。洗顔時間はできるだけ短くして、肌の温度に近い32度から36度程度のぬるま湯で洗うのがおすすめです。化粧水は両手で包み込むようにして染み込ませ、乳液やクリームなどで肌表面にふたをするようにすると、お肌をガードするのに役立ちます。
【まとめ】
赤ら顔は毛細血管が拡張したり、炎症が原因で起こることが多いと言われています。治療方法は数種類ありますが、特にレーザーを使った治療が効果的とされています。保険適用となった場合は一回の治療金額が数千円から2万円程度で、治療期間は半年以上となるケースもあります。赤ら顔はセルフケアも大切で、肌に刺激を与えないような生活を送ることがポイントです。